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Little stories

夢か何かだったのかもしれない

No.21

影響力
湖は、そっと、小さくなって眠るように動いていた。ユエリャンは街で暮らしていた。「外国人が2人、来る。私のもう一つの故郷から」

長い髪を揺らし、ユエリャンはレストランの2階バルコニーで夜の街を見つめていた。「どちらの故郷の人からも嫌われ者、よそ者扱いだもの。でも街は、どんな人も受け入れる。だから、価値がある。でも街は街だけで成立してるわけじゃない、そう仰いたいんでしょう、先生?」
ユエリャンが振り返る。そこには、サラとソラの先生がいた。

「長老は君に感謝している。しかし、外見の違う君を大いに受け入れることは、村の人々が許してくれない。長老は君を拒絶したわけではないんだよ、わかってくれるかい」
「何もかも遅いし、犠牲は戻らない。私はどちらでもあるし、どちらでもないんですよ」ユエリャンは一瞬目を伏せた。
「タイヤンの国も、マクシムの国も嫌いかい」
「大した違いはありませんね、外見を理由にして深くは受け入れない点ではね。おかげで私は宙ぶらりん。私がおもてに出ると都合が悪いから、先生たちに動いていただけるのはとても助かります。」

「君はそれでいいのかい」
「それしかないでしょう」

ユエリャンはテーブルに戻り、グラスを手に取った。
「感謝しています。私の考えに乗ってくださったこと」

「君の影響力はこの状況であっても強い。私は一介の教員に過ぎない。むしろ信頼してくれたことを私が感謝しなくてはならないだろうね」

2人はグラスを揺らして酒を飲み干した。
「私の目的に賛同してくださる方がいらっしゃることがどれだけ心強いことか。感謝申し上げます」

雨が降っている。タイヤンとガオシンのテントは雨季専用の頑丈なものに変わっていた。「これだけ雨が降っていれば、湖もすぐ現れるだろうな」ガオシンは本をパッケージに入れていた。「本がカビるのだけは勘弁だけどな!」

タイヤンはそう言った後、考えごとをしながら周囲を片づけていた。ずいぶん長いことユエリャンに会っていないので、タイヤンはユエリャンのことをすっかり忘れていた。それ以上に、サラやソラたちとの関係に悩むことが多く、ガオシンも少し気疲れしていた。サラはのんびりしていて、ソラは地元のことだからとはいえ多少神経質になっていた。どうすればその氷のような関わり方を変えることができるのか、わからなかった。結局、「お前たちは政府が公式に認める血統の人間だからな」と言わんばかりのソラに、困らされていたのだった。

雨の降りしきる中、馬のような動物の足音が聞こえた。4人は外に出た。あまりにも遠目で、タイヤンやガオシンにははっきりとは見えない。その時、ソラが言った。「外国人だな、白人だ。2人いる」ガオシンは多少警戒する様子で「もしかしたら、先生が送ってくださった人たちじゃないかな、でも何の連絡も無いし」とソラ。「私たちが来た時も、連絡をよこしてはくれなかったのでしょう?急いで送ってくれたのかもしれない」サラはそう言った。

陰は大きくなった。雨合羽を着た頑丈そうな陰と、それよりは少し小さな陰。すると、陰の後ろにいた人物が動物を連れて行ってしまった。大きな荷物を抱え、歩いてこちらに向かってくる。2つの大きな陰はこちらに向かって手を振った。

「よう、タイヤン、ガオシン、サラ、ソラの4人か?よろしくな、先生がこっちに来れるように手配してくれたんだ!」大きな明るい声で叫んでいた。軽く走ってきて、「俺はマクシム。でもレイフォンって別名も作ったことがある。そっちで呼んでくれてもいいよ!で、こっちがソフィア。困った時はニーナってクラスメイトも母国から手伝ってくれることになってる。」4人の顔を見て、マクシムは驚いた。「何だ?おまえたち。暗いな!もっと明るく迎えてくれよ、手助けだよ、まるで葬式だな!肉を持ってきたんだ、雨が落ち着いたら食おう」ソラが冷たく言った。「俺は、肉は食わない」「それも知ってるって!グルテンの肉も持ってきたんだ!俺、少しは気が利くだろ?」

タイヤンとガオシンがぼーっとマクシムを見ていた間、ソフィアはサラと話していた。「サラは楽器ができるって聞いたから、メンテナンスの道具を持ってきたの!長いことここにいるんだから、楽しくやらなきゃね!砂漠地帯だからってコスメを置いてこようと思ったんだけど、やっぱりい持ってきちゃったの」「それは持ってきて正解だと思うよ」「砂漠地帯に来るのは初めてだから、よくわからなくて先生に聞いたり調べたりした。でも…私たち、衛星携帯電話を持ってきたから、連絡手段は全部これで解決すると思うの!」

「えっ!」4人は驚いて、そして喜んだ。

「4人もいて普通の携帯電話も持ってなかったの?あれがあれば転送なんてできるよね?」タイヤンが言った。「値段が高すぎるよ、俺とガオシンはただの学生だし、サラとソラは地元の人で」ソラは続けて言った。「そんな収入なんてないよ」。

「ははあ、つまりそういうことか。俺たちをここに連れてきたのは、そういうお金の問題を補うためでもあったのか。ここのエリアは色々、政治的な問題があるとは思っていたけど」

ソフィアがふと思い出したように語った。「もう一つ問題があったね、あなたたち、長老と話があまりうまく噛み合っていなかったみたいだよね。語学、ちょっと苦手だったんじゃないの?まあ、確かに長老の言葉は不思議な言い回しをよく使う人だけど…」サラとソラは「あの長老の言葉をすんなり理解できるの?」と驚いた。「あなたたち地元の人じゃないの?」「民族が入り交じっているから、村が違うと言い回しが違うんだ。確かに文法は同じなんだけど、わからないことも多い」「そう。じゃあそこは私が解決することに。」ソフィアは目を閉じてそう言った。

協力者が増え、状況は刻一刻とよくなっているように感じられた。

さまよえる湖

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