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Little stories

夢か何かだったのかもしれない

2024年4月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

「なんだよアキ、けっこう飲めるんだな」
「好き好んで飲まないだけだよ、体に悪いだろ?」
「けっこう健康志向なんだな」
「…まあね」

「今日はあの学校エリアのネットワークがダウンして、ひどい目にあったから飲んで帰って寝る!」紺のワンピースを着た、カウンターに座った二人組はそんなお喋りをしていた。アキはその横顔を見て驚いた。「トモエ…」隣の女性が気づく。

「あら、あなたトモエさんをご存知なの?よく似ているって言われていたわ」「今も充分そっくりだと思うけど」「まあ、なに?行方不明になったという話だし、きっともう言われないと思うわよ」「…亡くなったとかですか?」「いいえ、それが…よくわからないらしいのよね」そういえば、昨日のカシの件では顔を出していない。アキは驚いていた。

その女性ははっとしてアキを見つめた。「あなたは?」「いえ、ちょっと顔を合わせたことがあるだけの知人です」

「あの…」「これ以上は話せません。おい、行くぞ」「ん?なんだよ、もう一軒行くか?」「それでもいい。行くぞ」

カードで支払いを済ませ、二人は店を出た。「何なんだよ」ヨシは困惑して言った。「トモエがいなくなったらしい」「別に関係ないだろ?」ヨシはアキの首に腕を回したが、アキは静かに言った。「…まあ、今や関係ないのは間違いないんだけどさ」

「じゃ、もう一軒行っとくか!」首に回した腕をゆるめ、アキの肩に手を置いた威勢良くヨシは言い、アキは答えた。「ああ、行こうか」アキは無表情だった。

ヨシはもう一度、腕をしめつけてアキの頬に顔を近づけ、アキの髪を撫でた。「なんだよ!なあ、…あたしがYESと答えたり、NOと言ったら解散か?そういうもんか?」「そんなことねーよ」「だよな!」アキはいつものように、気の強い笑顔を見せるのだった。

夜は更けていく。風はもう冷たくなっていた。

電子世界1

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